電通
天下の電通で過労死という痛ましい事件がニュースになっています。
天下の電通がブラック企業?信じられません!
とはなりません・・・。
マスコミ・広告関係の仕事ですから、労働時間が一般企業より長いのは当たり前といえば当たり前です。
広告代理店なんてどこもそんなもんです。
クライアントとは日中打ち合わせをし、その後、クライアントの営業時間が終わってからが本番の社内会議開始みたいな感じです。
一般企業が働いていない時間帯にも働いている、むしろその時間に仕事をしないと他に時間がないという感じ。
一般企業が営業していない時間が、彼らの本領を発揮する時間といういささかどうしようもない環境もあります。
深夜21時~23時からの会議・打ち合わせなんて普通です。
そんなことが平然と行われている業界です。
特殊と言えば特殊な業界ですが、今までそれが普通に行われてきたのなら、今更誰もそれに文句は言えないのでしょう。
それが社風であり、それが彼らのスタイルです
、というか業界全体そうです。
電通だけの問題ではありません、業界全体の問題です。
そして、今までそれが当たり前・普通となっていたことが大問題なんです・・・。
むしろそういった環境にならざるを得ないのは、クライアントが存在するからとも言えると思います。
クライアントの要望に対して、短い期限と少ない予算で、結果をださないといけないわけですから。
時間と予算があればもっといいものができますよ!とも言い切れませんが・・・。
労働時間
亡くなった女性は、月に100時間以上の時間外労働をしていたそうです。
月の残業時間は45時間までと36協定で定められています。
ですが、例外措置として、月80時間まで延長することができます。
それが年間6回まで認められます。
半年間は月80時間の時間外労働が認められるということです。
これを余裕でオーバーしています。
労災認定レベルということです。
私のとある月の労働時間は約300時間です。
1日8時間の労働が原則となっています。
この月は25日出勤しています。
25×8=200時間が基本労働時間です。
つまり、残りの100時間は時間外労働にあたります。
これだけ残業していますが、6日間は休んでいます。
日で割ると1日12時間労働。
こうみると意外と普通ですね。
日によってばらつきがあるので、平均値でみるとそれほどですが、月の後半の15日間は徹夜続きで、内3日しか帰れていません。
この8月は残業が多い方でしたが、さすがに毎月こうではありません。
40時間に収まる月もあります。
月の労働時間が300時間を超えることなんてまったく珍しくない、私もその業界にいます。
さらに裁量労働制を採用しており、残業代は発生しません。
どんだけ働いてももらえるお金は変わりません。
企業は法の包囲網からなんとか逃れようと、努力しているわけですね。
人件費をけちりたいがために、残業代が発生しない労働制を採用し、36協定をみせかけ順守のため労働時間をごまかす行為も強要、タイムカードを早めに切らせる、最悪な場合タイムカードさえ押させないという手段さえとる。
とんだブラック企業だ!!
すみません、愚痴がでました。
私の知り合いでは、月の労働時間が500時間を超えたことのある人もいます。
信じられない労働時間です。
月何時間あるんだっけ?と計算したくなります・・・。
ちなみ月30日で、720時間あります。
毎月100時間以上の残業、本当にきついと思います。
プラス通勤時間。
平日のプライベートな時間、帰宅している時間はほぼ寝ている感じでしょう。
休日も泥のように寝ている状態かもしれません・・・。
新人ならなおさらきついはずです。
ある程度上の立場になれば、自分の裁量で時間をコントロールできる部分が増えていくと思いますが、新人は上司に言われるがまま、上司より先に帰るわけにもいかず、遅く来るわけにもいかない・・・。
終わりの時間も見えず、何時に帰れるか分からない・・・。
上司に面倒な仕事をふられ、上司は先に帰宅・・・。
肉体的にも精神的にも大きな苦痛です・・・。
本当にお悔み申し上げます。
22時以降消灯
今回の件を受けて電通がとった対処の一つに、社員の帰宅を促すために22時以降消灯というものがあります。
残業をする環境をなくしてしまおうという対処の仕方ですが、これが結果どうなるのか?
本当に社員の残業がなくなるかというと怪しいです。
ですが、何もしないよりは何かしら対処しなければならないので、1つの案としてやるべきだと思います。
しかし、これにより本当に社員の労働時間が減ったらどうなるか?
社員のこなせる仕事量が減ることになります。
今までできていたことが出来なくなります。
そうなるとどうなるか?
電通でやってきた仕事が下請けに流れます・・・。
広告代理店の下には、制作会社があります。
この制作会社の負担がおそらくかなり増えることになります。
制作会社は、広告代理店以上に過酷な労働環境にあるところです。
すでにそんな環境の中で、さらに制作会社の負担が増える・・・。
こんどは、制作会社の社員が労災認定を受ける事件が発生するかもしれません。
現状で事件がないのが不思議なくらいです。
上が何かを決めると、下が負担を被る構図はどの業界も似たり寄ったりではないでしょうか?
この悪循環をどうにかしないとこの業界全体の労働環境の改善はないと思います。
この事件を風化させないためにも、この事件がきっかけとなって業界全体で何かしらの改善がされることを願います。
文章が下手ですみません。
乱文長文失礼しました。